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応急仮設住宅
かせつ子育て


人は家をつくり、家は人をつくる。

2011年11月1日

長屋形式のプレハブ仮設住宅には、何かと不便が多く我慢も強いられるという印象が強いかもしれません。
私達もそれを覚悟で入居しました。

ところが、今となっては、我が子達が小さいうちにこの生活を経験できて良かった!と思っています。戸を開ければ何処かの暮らしの感じがして、誰かの音や匂いが伝わってくる生活。多くの大人達や子供達をいつも身近に感じつつ、日々挨拶を交わし、いろいろな出会いや体験を通して成長していく子供達の様子を頼もしく感じつつあります。

息子が、いつの間にか私がよく世間話をする方々の名前を覚えていたのには、本当に驚かせられました。ある日息子が1人でおママゴトをしていると… 「Oおばちゃんと~、Hちゃんママと~、うらのおばちゃんと~、おねえちゃんと~、ママと~、おんちゃんと~」 覚えた名前の分だけ、玩具のケーキや果物を1つずつお皿に乗せて並べていました。

お菓子を貰えば「ありがとう」、怒られちゃったら「ごめんなさい」。 促しは必要だけれど、素直に「ありがとう」や「ごめんなさい」を伝える練習は、母親と2人きりで居る時よりも、外で他の大人達を通しての方が断然効果があるように思います。

一戸建てマイホーム生活では、なかなか築く事ができなかった環境です。 「人は家をつくり,家は人をつくる」のですね。

得意料理を小分けにして近所に振舞うお婆ちゃん、子供達が駆け回る姿をみてお菓子を手渡すお爺ちゃん、子供達の手を引いて敷地内を散歩に連れて行ってくれる隣の叔母ちゃん、「明日あさって温泉さ行ってくるから留守にするよ」と声を掛けてくれる裏の叔母ちゃん。

「私も何か力になりたい!」という気持ちが自然と強まります。
「自分さえ良ければいい」という気持ちは、一掃されていくかもしれません。

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